アメリカのマクドナルドの炭酸系飲料がサイズ関係なく全て1ドルである理由

01-経済(NEWS)

マクドナルドのドリンク戦略

・サービスの速さと値段の安さ、味を誇るファストフードチェーンは、常に他社との競争が激しい。

・そのため、各社が顧客を惹きつけるための新たなプロモーションを次から次へと導入しているが、

アメリカのマクドナルドでは2017年よりソフトドリンク(炭酸飲料)が全てのサイズを1ドル(107円)で販売。

アメリカはMサイズのドリンクが日本のLサイズより大きく、これで1ドルとなるとお得感もかなりのものだ。

しかし、実はこのプロモーションには精通したビジネス戦略があった。

炭酸飲料を全てのサイズ1ドルで販売したマクドナルド

・2017年、アメリカのマクドナルドは新たなプロモーションとして、炭酸系のソフトドリンクをサイズに関係なく全て1ドル(約107円)で販売開始した。

今も昔も他社との競争が厳しいファストフード業界だが、この頃マクドナルドはウェンディーズやバーガーキングなどのライバル社にジワジワと顧客を奪われていたことから、巻き返し戦略として全てのドリンクのサイズに関係なく1ドルにしたのだ。

売上4%の増加でプロモーションは成功

 プロモーション当初、期間限定でアイスティーやアイスコーヒー、ホットコーヒーも1ドルで提供していたマクドナルド。

 くわえてソフトドリンクがどのサイズも全て1ドルとなると、

多くの顧客が足を運び、ドリンクが安い分メニューにあるより高価な食べ物を購入する傾向が強まった。

 ソフトドリンクの製造コストは非常に低いため、低価格で提供しても余裕があり、その結果売り上げが4%増しになった。

このプロモーションは、大成功を収めたわけである。

続いて「、、Dollar Menu」もスタート 

 ドリンクを全て1ドルにすることで、再び顧客をつかんだマクドナルドは

引き続きフードメニューもソフトドリンク付きで1ドル、2ドル、3ドルの安価に設定し、プロモーションを開始した。

 顧客はアプリからのダウンロードで、1ドルのフライドポテトLサイズのクーポンも入手することができるようになり、

1ドルドリンクのプロモーションと併せてのこのサービスの提供は、来店した多くの顧客に1ドルの飲み物以上の購入を促す結果を生んだのだ。

・期間中、マクドナルドの売上高は少なくとも2.9%増しとなり、プロモーションを行っていない世界中のマクドナルドの売り上げまで5.5%増しになるという相乗効果を発揮し、多額の収益をもたらした。

・しかし、残念なのが人気だった「$1、$2、$3Dollar Menu」がいつの間にか各店舗で消えてしまったことだ。

・2019年には、このサービスを提供していない店舗が増え、SNSでは多くのユーザーらがサービス中止の公表がなかった分、大きな失望の声を露わにした。

これらの声に対して、マクドナルド側は「個々の店がメニューの価格を決定します。メニューの価格は、食品コストを含むさまざまな地方または国の要因に基づいて異なります。」と返している。

1ドルドリンクのサービスだけは引き続き行われているようだ。

パンデミックの影響を大きく受けている最中のマクドナルド

競争率が激しいファストフード業界だけに、マクドナルドは顧客がより簡単に注文できるようにと店内のスクリーンをタッチパネルにしたり、スマートフォンのアプリを使ったモバイルオーダーも導入したりと、近代化させたサービスをいち早く導入してきた。

 しかし現在、新型コロナウイルス感染拡大により、他のファストフード社同様マクドナルドはパンデミックの影響で大きな打撃を受けている。

 3月25日には、業務簡素化の一環として、アメリカの全店舗において一部メニューの提供を一時的に取り止めることが発表された。

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